前回はS&P500系のJEPI・SPYI・VOOを数値で比較しました。
今回はNASDAQ100をベースにしたJEPQとQQQI、そして比較基準となる純粋なNASDAQ100インデックスETFのQQQを数値データで徹底比較します。
「JEPQとQQQIは何が違うのか?」「QQQと比べてどちらが得なのか?」という疑問に、データをもとにお答えします。
比較する3つのETF
- JEPQ:カバードコールETF・JPモルガン・2022年5月設定
- QQQI:カバードコールETF・NEOS・2024年1月設定
- QQQ:インデックスETF・インベスコ・1999年3月設定
すべてNASDAQ100をベースにした商品ですが、目的と戦略が根本的に異なります。
基本スペック比較
- JEPQ:分配利回り約10%・経費率0.35%・毎月分配・ELN方式・NISA対象外
- QQQI:分配利回り約13〜14%・経費率0.68%・毎月分配・コールスプレッド・NISA対象外
- QQQ:分配利回り約0.5%・経費率0.20%・四半期分配・オプション戦略なし・NISA対象外
JEPQとQQQIの戦略の違い
前回の記事でS&P500系のJEPIとSPYIの戦略の違いを解説しましたが、JEPQとQQQIも全く同じ構図になっています。
- JEPQ:JEPIと同じELN方式・JPモルガン運用・安定重視
- QQQI:SPYIと同じコールスプレッド方式・NEOS運用・上昇追従重視
JEPQの戦略:ELN方式
JEPQはJEPIと同じくELN(エクイティ・リンク・ノート)を活用した戦略です。ただしJEPIがS&P500のディフェンシブ銘柄中心なのに対し、JEPQはNASDAQ100の成長銘柄を保有しながらELNでオプション収入を得ています。
- NASDAQ100の成長銘柄(Apple・NVIDIA・Microsoft等)を保有
- ELN方式でオプション収入を安定的に確保
- JPモルガンという大手運用会社の安心感
- 純資産総額が大きく流動性が高い
QQQIの戦略:コールスプレッド方式
QQQIはSPYIと同じくアウト・オブ・ザ・マネー+コールスプレッド戦略を採用しています。QQQIはJEPQよりも「株価上昇のキャップ(天井)」が緩いため、ナスダックが急騰する局面では最も指数に近いパフォーマンスを出しつつ、高配当も維持する「いいとこ取り」を実現しています。
- NASDAQ100全体に連動
- アウト・オブ・ザ・マネー+コールスプレッド戦略
- 上昇相場でのパフォーマンスがJEPQより優れる傾向
- 業界最高水準の分配利回り(約13〜14%)

年別トータルリターン比較(配当込み)
※QQQIは2024年1月設定のため2024年のデータのみです。
- 2022年(5月〜):JEPQ▲約15% / QQQI データなし / QQQ▲約33%
- 2023年:JEPQ+約28% / QQQI データなし / QQQ+約54%
- 2024年:JEPQ+約18% / QQQI+約27% / QQQ+約25%
ポイント①:2022年の下落相場
JEPQはカバードコール戦略により下落相場での損失を抑えつつ、配当収入でリターンを安定させています。QQQが▲33%の大幅下落の中、JEPQは▲15%に抑えました。
ポイント②:2023年の急回復相場
AIブームによるNASDAQ100の急騰でQQQが+54%を記録する中、JEPQはカバードコール戦略による上昇制限のため+28%にとどまりました。ただし高い分配金を出しながらこのリターンは十分優秀といえます。
ポイント③:2024年のQQQI初年度
QQQIはJEPQを上回る+27%を記録し、上昇相場での強さを示しました。
設定来のトータルリターン比較
2022年5月〜現在の設定来リターン:
- QQQ:+約91.5%
- JEPQ:+約67.4%
長期の資産成長だけを目的とするならQQQが優位ですが、JEPQは毎月高い分配金を出しながらこのリターンを達成している点が重要です。

最大ドローダウン比較
- JEPQ:約▲25%(QQQより下落幅が小さい)
- QQQI:約▲25%(JEPQとほぼ同水準)
- QQQ:約▲35%(2022年に大幅下落)
JEPQとQQQIはどちらもNASDAQ100主体のため、市場の下落に連動しやすくなります。ナスダック100(QQQ)よりはマイルドですが、JEPIほどの守りは期待できません。S&P500系と比較すると下落幅が大きい点はNASDAQ100系ETFの共通した特徴です。

分配金の比較
JEPQの分配金推移
- 2022年(5月〜):0.4〜0.5ドル台(設定直後・高ボラティリティ)
- 2023年:0.4〜0.5ドル台(安定推移)
- 2024年:0.4〜0.5ドル台(安定維持)
QQQIの分配金推移
- 2024年:約6〜7ドル台(設定初年度から高水準)
- 2025年:約7.44ドル(安定維持・増配傾向)
重要な気づき:NASDAQ100系は分配金が安定しやすい
ハイテク株は常に値動き(ボラティリティ)が激しいため、オプション市場では依然として「高いプレミアム」がつきます。S&P500系のJEPIが2023年以降に分配金が減少傾向にあるのに対し、NASDAQ100系のJEPQとQQQIは比較的安定した分配金を維持しています。
経費率がリターンに与える影響
- QQQ:0.20% / 100万円投資時の年間コスト約2,000円
- JEPQ:0.35% / 100万円投資時の年間コスト約3,500円
- QQQI:0.68% / 100万円投資時の年間コスト約6,800円
QQQIの経費率はQQQの約3.4倍ですが、分配利回りが約13〜14%とQQQ(約0.5%)を大幅に上回るため、高い分配利回りで経費率のコストを十分にカバーできています。
JEPQとQQQIの直接比較
- 運用会社:JEPQ JPモルガン(大手) / QQQI NEOS(新興)
- 純資産総額:JEPQ 大きい(流動性◎) / QQQI 小さい(流動性○)
- 分配利回り:JEPQ 約10% / QQQI 約13〜14%
- 上昇追従性:JEPQ ○ / QQQI ◎
- 下落耐性:JEPQ ○ / QQQI ○
- 運用歴:JEPQ 2022年〜(実績あり) / QQQI 2024年〜(短い)
- ROC比率:JEPQ 低い / QQQI 高い(約95.8%)
- 二重課税:JEPQ 発生する / QQQI 発生しにくい
どちらを選ぶべきか?
JEPQが向いている人
- 安定した実績と信頼性を重視する人
- JPモルガンという大手ブランドに安心感を感じる人
- 純資産総額が大きく流動性の高いETFを好む人
- ROCの税務処理を気にしたくない人
QQQIが向いている人
- 最高水準の分配利回りを求める人
- 上昇相場でのパフォーマンスを重視する人
- ROCによる二重課税の軽減メリットに期待する人
- 新しい戦略のETFに積極的に投資したい人
数値から見えてくる真実
① QQQは長期資産成長において最強
QQQはナスダック100指数に連動し、過去20年で年平均成長率16.1%(配当再投資込)を記録しています。長期の資産成長だけを目的とするならQQQが最も優れています。
② JEPQは「高配当×NASDAQ100」の定番ETF
運用歴・純資産総額・分配利回りのバランスが取れており、NASDAQ100系カバードコールETFの中で最も信頼性が高い選択肢です。
③ QQQIは「上昇追従×超高配当」の新星
設定からわずか1年でベストETF賞を受賞するなど、その実力は証明されつつあります。ただし運用歴が短い点は慎重に判断する必要があります。
3つのETFはこう使い分ける
- 資産を増やす:QQQ(またはニッセイNASDAQ100インデックスファンド)
- 安定した高配当収入:JEPQ
- 超高配当×上昇追従:QQQI
私のポートフォリオでは以下のように役割を分けています。
- NISAの口座:ニッセイNASDAQ100インデックスファンドで資産成長
- 特定口座:QQQIを保有し、今後JEPQも加えて毎月の配当収入を積み上げる予定

まとめ
- 2022年リターン:JEPQ▲15% / QQQ▲33%
- 2023年リターン:JEPQ+28% / QQQ+54%
- 2024年リターン:JEPQ+18% / QQQI+27% / QQQ+25%
- 最大ドローダウン:JEPQ▲25% / QQQI▲25% / QQQ▲35%
- 分配利回り:JEPQ約10% / QQQI約13〜14% / QQQ約0.5%
- 経費率:JEPQ 0.35% / QQQI 0.68% / QQQ 0.20%
「安定のJEPQ」「超高配当のQQQI」「成長のQQQ」と覚えておきましょう。
次回はAIPI・CEPI・453A・TLTXという個性派カバードコールETFを解説します。
航海(こうかい)
免責事項
当ブログの情報は筆者個人の経験・見解にもとづくものです。数値データは参考情報であり、将来のリターンを保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いします。

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