前回の記事では、JEPIとJEPQの特徴や違いをわかりやすく解説しました。
今回はより深く、実際の数値データを使って比較します。
- 年別トータルリターン
- 配当込み・配当なしのリターン
- 最大ドローダウン(どこまで下落したか)
- 分配金の推移
「数字で見てから投資を判断したい」という方に向けた内容です。
比較する4つの指標
- JEPI:カバードコールETF・S&P500ベース
- JEPQ:カバードコールETF・NASDAQ100ベース
- VOO(S&P500):インデックスETF・S&P500ベース
- QQQ(NASDAQ100):インデックスETF・NASDAQ100ベース
JEPIとVOOはS&P500ベース同士、JEPQとQQQはNASDAQ100ベース同士で比較します。
年別トータルリターン比較(配当込み)
JEPIの年別リターン
JEPIは2020年5月に設定されたため、2020年は半年分のデータです。
- 2020年(5月〜):JEPI+約3% / VOO+約18% → VOO優位
- 2021年:JEPI+約21% / VOO+約28% → VOO優位
- 2022年:JEPI+約3% / VOO▲約18% → JEPI大幅優位
- 2023年:JEPI+約9% / VOO+約26% → VOO優位
- 2024年:JEPI+約13% / VOO+約25% → VOO優位
ポイント:2022年の米国株弱気相場において、JEPIはS&P500指数よりも遥かに軽微なダメージで耐え抜きました。下落相場での守りの強さが際立ちます。一方、上昇相場ではVOOに劣ることが多いです。
JEPQの年別リターン
JEPQは2022年5月に設定されたため、2022年は半年分のデータです。
- 2022年(5月〜):JEPQ▲約15% / QQQ▲約15% → ほぼ同等
- 2023年:JEPQ+約28% / QQQ+約54% → QQQ優位
- 2024年:JEPQ+約18% / QQQ+約25% → QQQ優位
ポイント:JEPQは上場した2022年以降、一貫して右肩上がりの推移を見せており、特に2023年と2024年はハイテク株の回復に支えられ、大きく上昇しました。ただしQQQと比べると上昇が抑えられています。
配当込み vs 配当なしリターンの違い
カバードコールETFの特徴として、分配金が多い分、株価上昇が抑えられるという点があります。
JEPIの場合:
- 2022年:配当なし▲約10% / 配当込み+約3%
- 2023年:配当なし▲約3% / 配当込み+約9%
- 2024年:配当なし+約3% / 配当込み+約13%
分配金が株価下落を補っていることがよくわかります。JEPIは株価自体はほぼ横ばい〜緩やかな下落傾向ですが、毎月の分配金でトータルリターンをプラスに保っています。
重要な視点:配当込みリターンで見ると、JEPIもJEPQも一定の成績を残しています。しかしVOOやQQQと長期で比較すると、上昇相場では劣後することが多いというのが正直なところです。カバードコールETFは「長期的な資産成長」より「毎月の安定収入」に特化した商品と理解することが重要です。

最大ドローダウン比較
最大ドローダウンとは、高値から底値までの最大下落率のことです。この数字が小さいほど下落に強い商品です。
- JEPI:約▲14%(下落耐性が最も高い)
- JEPQ:約▲25%(JEPIより下落幅が大きい)
- VOO(S&P500):約▲24%(2022年の弱気相場)
- QQQ(NASDAQ100):約▲35%(2022年に大幅下落)
ポイント:JEPIは低ボラティリティ銘柄中心で、市場下落時に下落幅が小さく最大ドローダウンは約▲13〜14%です。一方、JEPQはNASDAQ100の高いボラティリティにより、2022年はQQQと同水準の約▲15%の下落となりました。

分配金の推移
JEPIの分配金推移:
- 2020年:0.4ドル台
- 2021年:0.3ドル台(低め)← 低ボラティリティでプレミアム減少
- 2022年:0.4〜0.6ドル台(好調)← 高ボラティリティでプレミアム増加
- 2023年:0.3〜0.4ドル台(減少)← 前年比約24%減
- 2024年:0.3ドル台(やや回復)
重要な気づき:分配金はボラティリティ(相場の変動の大きさ)と連動しています。相場が荒れているときほど分配金が増え、穏やかなときは減るという特性があります。

数値から見えてくる真実
① JEPIは「守りの配当ETF」
- 下落相場での耐性は抜群(最大ドローダウン約▲14%)
- 上昇相場ではVOOに大幅に劣後
- 分配金は安定しているが変動あり
- 毎月の安定収入を最優先する人向け
② JEPQは「攻守バランス型」
- 上昇相場ではJEPIを大幅アウトパフォーム
- 下落相場ではQQQと同水準の下落
- 高い分配利回りと成長性の両立
- 成長性も取り込みながら配当収入も欲しい人向け
③ 長期の資産成長だけを目的とするならVOO・QQQが優位
正直に言えば、純粋な資産成長目的ではVOOやQQQに軍配が上がります。カバードコールETFの真価は「毎月キャッシュフローを生み出すこと」にあります。FIREを目指す私のように、配当収入で生活費をまかなう戦略において最大の力を発揮します。

私の結論
数値データを見た上での私の考えはこうです。
資産を増やすフェーズ(現在):
→ NISAでVOO・QQQに連動するインデックスファンドで長期積立
配当収入を積み上げるフェーズ(並行して):
→ 特定口座でJEPI・JEPQを含むカバードコールETFを保有
FIRE達成後:
→ カバードコールETFの分配金で生活費をまかなう
この2段構えの戦略が、私の目指すFIREへの最適解だと考えています。
まとめ
- 2022年リターン:JEPI+3% / JEPQ▲15% / VOO▲18% / QQQ▲33%
- 2023年リターン:JEPI+9% / JEPQ+28% / VOO+26% / QQQ+54%
- 2024年リターン:JEPI+13% / JEPQ+18% / VOO+25% / QQQ+25%
- 最大ドローダウン:JEPI▲14% / JEPQ▲25% / VOO▲24% / QQQ▲35%
- 分配利回り:JEPI約7〜8% / JEPQ約10% / VOO約1% / QQQ約0.5%
数値を見ると、各ETFにはそれぞれ明確な役割があることがわかります。
「どれが最強か」ではなく、「自分の目的に合ったETFを選ぶ」ことが大切です。
次回はQQQIとSPYIを徹底比較します。
航海(こうかい)
免責事項
当ブログの情報は筆者個人の経験・見解にもとづくものです。数値データは参考情報であり、将来のリターンを保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いします。

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